中南米ビジネスのナーチャリング(リードの育成)ステージ1:ニューリードの獲得

リード(見込み客)のナーチャリング(リード客の育成)については現在のマーケティングでは既に様々な理論がありますがここれでは主に中南米の新興国市場における海外営業におけるナーチャリングという形でセクターを絞って解説してみたいと思います。ナーチャリングはステージを下記の4つに分けていきます。

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  • ステージ1:ニューリードの獲得 ( New Lead )
  • ステージ2:ワーキングアンタッチド ( Working Untoughced )
  • ステージ3:ワーキングコネクティッド(Working Connected )
  • ステージ4:コンバート(Convert )

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まずは最初のステージ1について①新興国、②海外営業、③貿易事業という文脈に合わせてここで解説していくことにします。

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  • ステージ1:ニューリード 

これは主に、日本企業からのサイトへ直接の資料請求は問い合わせの情報を指します。また新興国の営業において現地に赴いてから顧客訪問をするのであれば候補の客リストに入れられる情報を増やしていくという作業でしょうか。B2B営業の場合はこのニューリードの時点でどの程度の情報解像度を上げて有望なリードを増やすことが重要となる。

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このニューリードマーケティングにおいてよく使われるフレームワークで「BANT 」というものがあります。これは有望なリードを増やすために最低限拾っていきたい情報となるが以下の4項目の頭文字から成るものです。

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  • B ( Budget ) :商品やサービスを導入するための予算
  • A ( Authority ) : 誰が商品やサービスの導入を決めるか
  • N ( Needs ) : 企業がその商品やサービスをどれだけ必要としているか
  • T ( Timeframe ) : 導入時期

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ではこの「BANT 」を貿易会社における新興国の海外営業ではどのようになるかというと最も重要なのはまず「A 」になります。特に中南米の海外営業ではA でない人間=決定権を持たない人といくら話した所で、難しい結果になるどころか、最初のターゲットの選定を誤り全てが台無しになっているというケースは多々あります。というより大多数がまずここでつまづいていると言ってもいいぐらいです。

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以前のブログの記事にも書きましたが中南米のラテン人は一様にネガティブな発言を嫌う傾向が強く、自分が住んでいるドミニカ共和国でもその傾向は顕著です。そのため仮に決定権のない担当者、例えば仕入れの担当ではない販売の担当者などと話をしてどんなに積極的なコメントを聞いても受注につながる所か変に勘違いとしてそこを一生懸命営業をかけ続けてしまい、徒労に終わる、その結果として海外営業におけるCPA ( 顧客獲得単価)が非常に高くつくということがよくあります。中南米の経験がある程度長い日本企業でもこのジレンマに陥る担当者は非常に多く最も注意を要するカテゴリーになります。