海外ビジネスにおけるバリュープロポジション

PMF ( Product Market Fit ) を達成していく上で、最初に考えていくべきことはバリュープロポジションです。今日、日本でも「バリュープロポジション」という言葉は少しづつ浸透してきていますが、それでも中南米市場でのビジネス立ち上げにおける日本企業を過去何年も見てきた中で、バリュープロポジションを意識せずに労力を使ってしまう事業家は非常に多いと感じています。

海外ビジネスにおける日本人起業家が最も陥りやすい罠としてよくある例はCustomer Value を軽視してしまうことです。その国の市場が望んでいる商品を提供するのではなく「自分たちの想い」のみが先行してしまうということです。

以前に自分が実際に私が住む、ドミニカ共和国の市場で販売をしてくれないかと頼まれた商品として「保冷剤」があります。日本製のあるメーカーの業務用保冷剤でしたが、長時間長持ちしておまけに固くならないという優れものの製品であることは間違いありませんでした。そしてその商品を年中暑い国であるドミニカ共和国であれば売れるに違いないという日本メーカーの想いがありました。またそのメーカーは地方にあるもののDXに非常に優れており、バリューチェーンの構築の仕方も独自でした、それなのでドミニカ共和国でも売れるに違いないという想いがあったのです。

ただここで重要なのが「そもそもその商品がドミニカ共和国でどの程度のレベルで望まれているのか」という視点が欠けていたことです。この視点がないと自社の営業マンをいたずらに疲弊させてしまいますし会社のリソースを無駄に使ってしまうことにもなりかねません。

「海外市場においてマーケットが望んでいるバリュー」を捉えるにはその国の顧客に対してヒアリングをしてみたり、実際にそこに住んで観察してみたり、お試しに軽く営業をしてみたり、そこの国に住む客と一緒に住んだり働いたり、アンケートをとるなど様々なアプローチを使用して見出すのが非常に大切と言えますし、これらなくして海外でのビジネス立ち上げは困難と言えるでしょう。その中で

  • 1)海外のその国におけるマーケットが望んでいる商品
  • 2)自社(日本企業側)が提供できる商品
  • 3)競合が簡単に提供できない商品
  • 4)3における明確な理由

という形で整理して考えることが重要になります